• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

結び目の多項式不変量とそのケーブル化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K13911
研究機関金沢大学

研究代表者

滝岡 英雄  金沢大学, 電子情報通信学系, 博士研究員 (50755791)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード結び目 / S_m^N交差交換 / 4移動距離 / HOMFLYPT多項式 / Kauffman多項式 / 係数多項式 / Γ多項式 / ケーブル化不変量
研究実績の概要

以下の2つの研究を行なった.
「絡み目のS_m^N交差交換と多項式不変量の研究」
2変数v,zの多項式不変量のHOMFLYPT多項式が一致する結び目の無限族は金信泰造氏によって発見されている. しかし, 2変数a,zの多項式不変量のKauffman多項式が一致する結び目の無限族は未だ知られていない. 本研究では, これら2変数多項式不変量の変数zで整理したときの係数多項式に注目する. 河内明夫氏の結果やそれとは異なる手法での宮澤康行氏の結果で, HOMFLYPT多項式に関しては, 任意のsに対して, 任意の絡み目の0番からs番までの係数多項式が一致する絡み目の無限族が構成されている. 本研究では, HOMFLYPT多項式とKauffman多項式のそれぞれの場合に, そのような絡み目の無限族が存在することをS_m^N交差交換を導入することで示した.
「結び目の4移動距離の研究」
λ移動を結び目の局所変形とする. 任意の結び目を有限回のλ移動で自明な結び目に変形できるとき, λ移動は結び目解消操作であるという. λ移動が結び目解消操作であるとき, 自明な結び目を介して, 任意の2つの結び目KとK'は有限回のλ移動で移り合う. KをK'にλ移動で変形するのに必要な最小回数をKとK'のλ移動距離という. 特に, 自明な結び目とのλ移動距離をλ移動結び目解消数という. 本研究では, 結び目の4半ひねりを0半ひねりに変形する操作とその逆の操作である4移動という局所変形を考える. 4移動が結び目解消操作であるかは未解決問題であるので, 無限大も許容して結び目の4移動距離を定義する. 先行研究として, 9交点までの結び目の4移動結び目解消数の表を作成した. 本研究では, 7交点までの結び目の4移動距離の表を作成した. 本研究は, 金信泰造氏との共同研究である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画調書に基づき, HOMFLYPT多項式とKauffman多項式の共通の0番係数多項式であるΓ多項式とそのケーブル化不変量の研究を多角的に行なっている.

Γ多項式のケーブル化不変量の研究で発見した結び目12a1249から出発し, その対称和の一般化を考え, 絡み目の局所変形であるS_m^N交差交換の研究に至っている.

Γ多項式の特殊値の研究から結び目の4移動距離の研究に発展し, 結び目のX移動距離やH(2)移動距離に関する先行研究の結果を応用し, 結び目の4移動距離の表の作成に至っている.

今後の研究の推進方策

研究計画調書に基づき, 研究を進める.

コンピュータを使った計算から, S_m^N交差交換とΓ多項式のケーブル化不変量との関係について, ある予想が得られたので, その予想の研究を進める.

結び目の4移動距離の表の未決定な部分を改善し, X移動距離, H(2)移動距離, 4移動距離の関係の研究を進める.

次年度使用額が生じた理由

物品費について, 2022年度発売予定だったデスクトップパソコン Mac Pro (Apple) が発売されなかったので, 2023年度に発売されたら購入する予定である. その他の費目に関しては, 研究計画調書に基づき使用する予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Dongguk University WISE(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      Dongguk University WISE
  • [雑誌論文] 2n-moves and the Γ-polynomial for knots2023

    • 著者名/発表者名
      Hideo Takioka
    • 雑誌名

      Kyungpook Mathematical Journal

      巻: 掲載予定 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On two kinds of clasp-pass moves for knots2023

    • 著者名/発表者名
      Hideo Takioka
    • 雑誌名

      Kyungpook Mathematical Journal

      巻: 掲載予定 ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 4-Move distance of knots2022

    • 著者名/発表者名
      Taizo Kanenobu and Hideo Takioka
    • 雑誌名

      Journal of Knot Theory and Its Ramifications

      巻: 31 ページ: -

    • DOI

      10.1142/S0218216522500493

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 絡み目のHOMFLYPT多項式とKauffman多項式の係数多項式2022

    • 著者名/発表者名
      滝岡 英雄
    • 雑誌名

      第69回トポロジーシンポジウム講演集

      巻: - ページ: 99--108

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 任意の絡み目のHOMFLYPT多項式とKauffman多項式の任意の次数までの係数多項式が一致する絡み目の無限族2022

    • 著者名/発表者名
      滝岡 英雄
    • 学会等名
      金沢トポロジーセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 絡み目のHOMFLYPT多項式とKauffman多項式の係数多項式2022

    • 著者名/発表者名
      滝岡 英雄
    • 学会等名
      第69回トポロジーシンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 結び目の4移動距離II2022

    • 著者名/発表者名
      滝岡 英雄
    • 学会等名
      金沢創発数理セミナー
  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/takioka/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi