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2023 年度 実施状況報告書

複雑なグラフ上のランダムウォークの性質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K13928
研究機関静岡大学

研究代表者

岡村 和樹  静岡大学, 理学部, 講師 (20758784)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード確率論 / 確率過程 / ランダムウォーク / 冪平均
研究実績の概要

1次元の過渡的なMarkov連鎖について符号の変化の回数を考察した。独立な確率変数の和の場合はある種の対称性がある場合に無限回の変化があることが知られ ているため、各点ごとに推移確率が異なる場合(時間一様的なMarkov連鎖の枠組み)を考察した。リバーシブルと呼ばれるクラスのものについては先行研究から 比較的容易に無限回の変化があることが示せることが判明したため、符号の変化の回数の密度やエクスカーションと呼ばれる概念に相当するものを現在考察して いる。また、1次元の長距離パーコレーションと呼ばれるランダムグラフの場合にも類似の問題を考察している。 2023年8月に乙部厳己氏(信州大学)を訪問し、独立同分布な複素数値確率変数の冪平均に関して議論を行い、分数階微分の技法を用いて、確率変数の可積分性 などの条件下で、冪平均の冪が-1から1までの間において、冪平均の期待値を特徴づけた。なお結果は冪が正の場合と負の場合とで分かれて記述される。また、 上半平面上の分布であるPoincare分布などに対しては冪平均の期待値を具体的に計算し、それが冪の値によらず一定であることを証明した。また、分数階微分に より、報告者が以前に得ていた実数上のCauchy分布の特徴づけについて、一般の実数上の分布に対して拡張することが可能になった。これはある種のモーメント 問題であり、具体的には冪として複素数を許す場合に相当する。これらの結果をプレプリントにまとめてarXivに掲載し、また学術雑誌に投稿した。関連する口 頭発表を2件行った。 2024年3月に久保田直樹氏(日本大学)を訪問し、ランダムコネクションモデルなどのEuclid空間内の長距離パーコレーション上のランダムウォークなどに関す る議論を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初に望んでいた結果が得られているわけではないため。

今後の研究の推進方策

新たな問題設定を試みる。他分野との関連に注目する。そのために幅広く予備知識の獲得や情報収集に努める。

次年度使用額が生じた理由

研究集会や研究打ち合わせ等への参加が少なかったため出費が少なかったがそれらを増加させるように努める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Properties of complex-valued power means of random variables and their applications2023

    • 著者名/発表者名
      Akaoka Y.、Okamura K.、Otobe Y.
    • 雑誌名

      Acta Mathematica Hungarica

      巻: 171 ページ: 124~175

    • DOI

      10.1007/s10474-023-01372-0

    • 査読あり
  • [学会発表] Properties of quasi-arithmetic means of random variables via fractional calculus2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Okamura
    • 学会等名
      Shinshu summer workshop on probability theory
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Properties of quasi-arithmetic means of random variables2023

    • 著者名/発表者名
      岡村 和樹
    • 学会等名
      確率論ヤングサマーセミナー2023
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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