研究課題/領域番号 |
22K13956
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
前澤 俊一 東京理科大学, 理学部第二部数学科, 助教 (70905934)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | グラフマイナー / 次数条件 / 平面的グラフ / 密グラフ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は極値グラフ理論的観点から完全多部グラフマイナーのスペクトラム解析である.目的達成のため,本研究では辺の本数が頂点数に比べて多いグラフ(密なグラフ)の構造解析,そして,平面的グラフに関する研究を行った.以下,本研究に関係する結果の詳細を記載する. 1つ目の結果は平面的グラフが(m,n)-linkedであるための必要十分条件を与えたものである.既存の結果では平面的グラフが(3,3)-linkedであるための必要十分条件を与えていたが,本研究ではその一般化に成功している.頂点数の少ないグラフのマイナーを見つける際には,対象となるグラフに平面的グラフに近い性質が出てくることがある.そのため,本研究は頂点数の少ないグラフのマイナーを見つける研究と関連している.本研究成果は国際誌Graphs and Combinatoricsに受理されている. 2つ目の結果は辺連結度の高いグラフには任意の向き付けから,辺のフリップ操作によって辺連結度を下げることなく,高い辺連結度の有向グラフにすることができることを示している.これはグラフ間の構造解析を行ったものであり,本研究課題のスペクトラム解析にも関連する.本研究成果は査読付き国際会議Proceedings of the 2022 ACM-SIAM Symposium on Discrete Algorithmsと国際誌ACM Transactions on Algorithmsにすでに受理されている. また,このほかにも査読付き国際誌に1本の論文が受理されており,査読付き国際会議に4つの結果が受理されている.さらに,現在,査読付き国際誌に3編の論文を投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では,極値グラフ理論的観点から完全多部グラフマイナーのスペクトラム解析を行う.極値グラフ理論的観点においては,密なグラフの構造解析が重要になることがある.また,頂点数の少ないグラフのマイナーを考える際には平面的グラフに近い性質の解析が重要になる.さらに,スペクトラム解析には異なるグラフ間の構造解析が重要になってくる. 現段階までで,密なグラフの構造解析や平面的グラフの構造解析が進んでいる.さらに,スペクトラム解析において重要な異なるグラフ間の構造解析に関しても組合せ遷移という分野からのアプローチを行うことで研究が進んでいる.さらに,グラフマイナーと関係するグラフイマージョンに対する極値グラフ理論的解析なども進めている.以上のことから,本研究はおおむね順調に進展している考えている.
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今後の研究の推進方策 |
これまで,密なグラフや平面的グラフの構造解析や異なるグラフ間の構造解析手法に取り組んだ.今後はこれらの知見を活かして,完全多部グラフマイナーの存在条件を極値グラフ理論的な観点から見つけていく.特に辺の本数に関する条件に着目していく. さらに,グラフマイナーと大きく関連するグラフイマージョンに対しても極値グラフ理論的な解析を進めていく. また,密なグラフや平面的グラフの構造解析や異なるグラフ間の構造解析手法に関する研究は今後も続けていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で海外への渡航が難しい状況であり,海外渡航が予定よりも少なくなったため次年度使用の資金が発生した. 本年度,次年度は国際共同研究を対面で行う予定である.また,国際会議への対面参加も予定している.実際,2023年5月の末にモントリオールでの国際会議に参加予定である.また,2023年の8月にもベルギーで行われる国際会議に参加予定である.
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