研究成果の概要 |
4d, 5d, 4f電子系では相対論的スピン-軌道相互作用の影響がその物性に顕在化することがある。この結果、スピンと軌道の自由度がもつれ合い電子密度を再構成することで、多極子秩序を形成する。しかし、これまで「隠れた秩序」と呼ばれる多極子秩序状態を電子密度分布として実空間で観測した例はなかった。本課題では、大型放射光施設SPring-8における高エネルギーX線回折と、申請者が独自に開発したコア差フーリエ合成法を組み合わせることで、パイロクロア型酸化物における多極子秩序の実空間観測に成功した。
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