研究実績の概要 |
超音波照射法を用いてアミロイド線維の核形成に関する実験的研究を継続的に実施している。対象蛋白質は、透析アミロイドーシスの原因蛋白質であるβ2ミクログロブリンと、パーキンソン病の原因蛋白質であるαシヌクレインを中心に研究を行っている。αシヌクレインに関しては、超音波照射条件下において、界面活性剤を利用し、超音波気泡の表面状態を変化させることで、アミロイド線維形成反応経路上の核形成過程の速度を制御できることを明らかにし、この内容に関する学術論文を責任著者として発表した(K. Nakajima et al., ACS Chem. Neurosci. 15, 1643-1651 (2024).)。また、β2ミクログロブリンに関しては、超音波の周波数と核形成速度の関係を詳細に調査し、超音波照射条件下におけるアミロイド核形成速度とアミロイド形成能の失活に関する知見を得ることができた。この成果に関しては、論文を執筆中である。
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