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2022 年度 実施状況報告書

BとΥ(2S)中間子崩壊でのレプトン普遍性の研究による新物理の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K14056
研究機関名古屋大学

研究代表者

周 啓東  名古屋大学, 高等研究院(素粒子), 特任助教 (50833191)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワードレプトン普遍性の破れ
研究実績の概要

本研究では、これまでB→D(*)τνとB→D(*)lν (l = e, μ)の崩壊頻度の相対比RD(*)の測定で兆候があったレプトン普遍性の破れの有無を明らかにし、新物理の発見を目指す。
本年度では、Belle II実験のデータを用いる初めてのRD(*)の測定を行った。信号事象の選択の最適化、二次元のフィッティングによるRD(*)の決定、および主要な系統誤差の評価まで進めてきた。シミュレーションを用いて、Figure Of Merit(FOM)による信号事象の選択の最適化を行い、Belle実験の同じRD(*)の測定よりFOMは35%を向上した。二次元のフィッティングの手法を開発して、シミュレーションに基づいたRD(*)に対する感度は、Belle II実験の189 fb^-1のデータでは+17%/-16%となり、Belle実験の711 fb^-1のデータと同程度である。本解析における主要な系統誤差を評価し、最も大きな系統誤差は+10.8%/-8.0%である。Belle II実験の189 fb^-1データを用いる初めてRD(*)の測定は、統計誤差が主要な誤差となる測定であり、これから蓄積されるBelle II実験のデータが増加するとともに、RD(*)の測定の感度も向上する。これらの結果は、国際会議で招待講演として報告した。
本年度は、RD(*)解析の最終結果への収束に向けて進めた。Belle IIの初めてのRD(*)の結果は次の年度中に公表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Belle IIで初めてのRD(*)測定の解析フレームワークを構築した。RD(*)の決定で用いる二次元のフィッティングの測定量は、機械学習による多変数の測定量と機械学習を用いない測定量による二つのものを開発した。それぞれの測定量のRD(*)の感度と系統誤差を比較した上で、本解析は機械学習を用いない手法を採用した。本RD(*)測定は、Belle II実験の189 fb^-1データでBelle実験の711 fb^-1のデータが同じくらいの感度を得られていたため、解析の手法の開発に成功した。主な系統誤差が評価できたことは、当初の計画以上に進展しているところもあった。

今後の研究の推進方策

Belle II実験のデータを用いる初めてのRD(*)解析の最終結果への収束に向けて、系統誤差の評価を全部完成させる。測定した結果を論文にまとめる。

次年度使用額が生じた理由

USBメモリーの購入で使用する予定である

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] DESY(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      DESY
  • [学会発表] R(D*) at Belle II2022

    • 著者名/発表者名
      Qi-Dong Zhou
    • 学会等名
      KEK Flavor Factories Workshop (KEK-FF2023)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Belle II 実験189fb^-1におけるハドロニックタグを用いたRD*測定結果2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Kojima
    • 学会等名
      日本物理学会 2023年春季大会

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公開日: 2023-12-25  

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