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2023 年度 実施状況報告書

3Dプリンタを用いた微細空洞構造ニュートリノ検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K14058
研究機関京都大学

研究代表者

木河 達也  京都大学, 理学研究科, 助教 (60823408)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードニュートリノ検出器 / 3Dプリンタ / 水ベース液体シンチレータ / ニュートリノ反応
研究実績の概要

水をベースとした液体シンチレータを用いた新型ニュートリノ検出器の小型試作機を製作したものの、2022年度に行った陽電子ビームを用いた性能評価試験から光量が十分でないことが分かっていた。
当該年度においてはまず水をベースとした液体シンチレータに必要な界面活性剤について材料や量を最適化した。その結果、IGEPAL CO-630が光量を増やすのが最適であることがわかり、IGEPAL CO-630を用いて配合を最適化することで水の割合を保ったまま光量を1.8倍に増加することに成功した。
シンチレータを分離する光学セパレータについてもさまざまな物質を試験したが、反射率は最大で85%程度であった。光学シミュレーションからこれを93%まで向上することができれば光量を1.4倍にする余地があることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当該年度までに小型試作機を製作し、陽電子ビームにより試験することが当初の研究計画であったが、それらは1年前倒しで完了しており、当該年度においてはその結果をもとに液体シンチレータや光学セパレータのさらなる改良まで行うことができたため。

今後の研究の推進方策

光学セパレータの改良が最大の課題であり、まずはそれに取り組む。現在、光学セパレータの材料として使用しているPMMAなどに白色顔料を混ぜる、もしくは2色印刷が可能なデュアルヘッド3D プリンタを用いて薄い層構造を形成することなどにより反射率を93%まで向上し、光量を1.4倍にまで向上することを目指す。
反射率が改良した暁には得られた検出性能を実装した検出器シミュレーションを開発し、大型化した際のニュートリノ反応測定の期待性能を見積もる。

次年度使用額が生じた理由

目標としていた水ベース液体シンチレータの開発および最適化と小型試作機のビームによる性能評価は達成したが、同時に光学セパレータに大幅な改良の余地があることがわかった。そのため次年度に引き続き光学セパレータの改良を行い、さらなる性能の向上を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] ニュートリノ反応の精密測定に向けた水ベース液体シンチレータ検出器の検出光量向上に関する研究2024

    • 著者名/発表者名
      恩田直人
    • 学会等名
      日本物理学会 2024年春季大会
  • [学会発表] Development of water-based liquid scintillator tracker for a precise measurement of neutrino-water interactions2023

    • 著者名/発表者名
      Naoto Onda
    • 学会等名
      The 24th International Workshop on Neutrinos from Accelelators(NuFact2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] ニュートリノ反応の精密測定に向けた水ベース液体シンチレータ検出器の開発状況2023

    • 著者名/発表者名
      恩田直人
    • 学会等名
      日本物理学会 第78回年次大会

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公開日: 2024-12-25  

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