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2022 年度 実施状況報告書

中性子過剰ハイパー核ガンマ線分光実験のための核種同定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K14063
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

山本 剛史  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (80784751)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードハイパー核
研究実績の概要

A=4のハイパー原子核で近年発見されたハイパー原子核構造における荷電対称性の破れの効果をA=12及びその付近のハイパー原子核についてガンマ線精密分光実験から明らかにすることを目指し、本研究では特に中性子過剰側のハイパー核の生成及び同定手法の確立を目標に設定している。本研究で開発予定の新たな実験手法では、ハイパー原子核生成反応として(π-,K0)反応を新規導入して、このハイパー原子核生成同定装置と半導体Ge検出器を用いた高分解能の精密ガンマ線分光を組み合わせる方針とした。本研究期間中にこれら手法に必要な装置の開発を行うと共に、開発した装置を用いた場合のガンマ線分光実験手法の検証を行った。
R4年度は必要な開発要素のうち、ハイパー核生成反応から作られるK0中間子の崩壊後のπ中間子を検出するためのシンチレータ層構造の飛程検出器の開発・製作を進めた。R3年度に飛程検出器テスト機にJ-PARC K1.8ビームラインにおいてπ中間子の照射データ取得が完了していたため、R4年度にはデータ解析を行い、π中間子入射に対する飛程情報やエネルギー付与の大きさ等の検出器応答を実データから確認することができた。今後、この結果を踏まえて中性子過剰ハイパー核の生成・同定装置の最適化を進める予定である。また、飛程検出器実機の製作を進めており、Ge検出器群の内部に2セットに分けて(左右に)設置予定の検出器のうち、1セット分の製作が完了している。テスト機ではシンチレータ層が8層までのみであったが、実機ではハイパー核生成時のπ中間子を検出できるよう全24層に拡張した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

R3年度に取得した飛程検出器にπ中間子を照射したデータの解析が進み、シミュレーションでは完全には予測できない検出器応答を評価することができた。また、飛程検出器の実機製作も順調に進んでいることから、当初の計画どおり「おおむね順調に進展している。」と判断した。

今後の研究の推進方策

飛程検出器について、R4年度にπ中間子照射に対する応答の評価が完了したため、この結果を踏まえた中性子過剰ハイパー核の生成・同定装置の最適化をGEANT4コードを用いたシミュレーションを用いて進める予定である。また、J-PARCのビームを用いたハイパー核生成実験において、飛程検出器を用いたハイパー核の核種同定が可能かどうかの試験を進める予定である。これと平行して、中性子過剰ハイパー核のガンマ線分光実験の実験提案を行い、J-PARC PACでの実験採択を目指す。

次年度使用額が生じた理由

飛程検出器の読み出し部整備に関して、半導体不足による納期の長期化の問題からR5年度に購入が延期となった。また。J-PARCにおけるビーム試験が加速器の状況のために延期となり、当初計画どおりに実施することができなかったため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度分研究費と合わせて、読み出し部整備費用や消耗品の購入費用として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] ラムダ粒子は,陽子と中性子を区別できるか?――ラムダハイパー核における荷電対称性の破れ2022

    • 著者名/発表者名
      中村 哲、永尾 翔、田村 裕和、山本 剛史
    • 雑誌名

      日本物理学会誌

      巻: 77 ページ: 287~292

    • DOI

      10.11316/butsuri.77.5_287

  • [学会発表] Hypernuclear γ weak Coincidence experiment using HypTPC /HS2022

    • 著者名/発表者名
      T.O. Yamamoto and M. Ukai
    • 学会等名
      HypTPC Collaboration Meeting
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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