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2022 年度 実施状況報告書

IXPE衛星を用いたカニ星雲の粒子加速機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K14068
研究機関山形大学

研究代表者

渡邉 瑛里  山形大学, 理学部, プロジェクト研究員 (90895476)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワードX線 / パルサー星雲
研究実績の概要

2022年度は、【研究目的】の(1)に取り取り組み、その途中までを完了した。
具体的には【研究計画・方法】に記載した通り(A)のIXPE衛星のデータとChandra衛星のデータを用いたX線偏光解析手法の確立を主に行なった。解析の手法確立手段自体はさまざまなテストを経て研究計画の1,2,3,4とは内容が変化したが、理想的な観測データを手にした場合を想定した時の手法を確立出来、さらにその手法を使うには、どのような統計量を持ったデータである必要があるか、どのような領域の取り方をしたデータであれば良いかなどの付随条件も明らかにできた。手段自体が変化したことにより、【研究計画・方法】(A)と一概には比較はできないものの、おおむね3の項目までの計画が完了している状態にある。今年度確立した手法については、現在論文執筆中であり、2023年度中の投稿を目指している。
また、確立した手法で解析を行うための前段階として、IXPE衛星で観測されたカニパルサーおよびカニ星雲、ベラパルサーおよびベラ星雲のデータをIXPE衛星の国際的なデータ解析チームに加わる事で実際に偏光解析した。この結果、論文の作成に主要な貢献をしたTier-I オーサーとしてそれぞれの論文著者とし名を連ねることができた上、IXPE衛星の持っている特性や偏光解析時の注意点などの知識も得ることができた。これは、実際のIXPE衛星のデータを本年度確立した手法によって解析する時に必要不可欠な知識である。これにより今年度確立した手法でIXPE衛星のデータを解析するための下地が整った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

【研究計画・方法】に記載した(A)1~3までを1.5年目までに済ませる計画であったので、予定通りの進度であり、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今年度で確立した手法は、理想的なデータを元にした方法であるため、実際のデータを解析するためにはバックグラウンドの取り扱い等の課題がある。2023年度はこれを調整し、【研究計画・方法】の4にあたる、実際のデータに対して確立した手法を使う事をめざしたい。また、IXPE衛星の日本チームの他のメンバーや理論研究者と協力し、【研究計画・方法】(c)を達成させるための前段階として、パルサー星雲内の磁場構造や乱流構造、粒子のエネルギー分布の議論を活発に交わし、理論研究者の論文にも貢献を果たす事で知識を深めたい。

次年度使用額が生じた理由

計画書を作成した時よりも円高となりパソコン購入時の金額が跳ね上がり、物品費だけは調達ができなかった為旅費の一部をあてて購入をした。その結果見積もりとは違い222円の誤差が生じた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Simultaneous space and phase resolved X-ray polarimetry of the Crab pulsar and nebula2023

    • 著者名/発表者名
      Bucciantini Niccolo`...Watanabe E(11番目)
    • 雑誌名

      Nature Astronomy

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41550-023-01936-8

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Vela pulsar wind nebula X-rays are polarized to near the synchrotron limit2022

    • 著者名/発表者名
      Xie Fei...Watanabe E(21番目)
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 612 ページ: 658~660

    • DOI

      10.1038/s41586-022-05476-5

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] カニ星雲を用いた Chandra と IXPE のジョイント解析による 偏光解析手法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉瑛里
    • 学会等名
      日本物理学会秋季年会
  • [学会発表] カニ星雲を用いた Chandra と IXPE のジョイント解析による 偏光解析手法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉瑛里
    • 学会等名
      「中性子星・超新星残骸及び関連天体」研究会
  • [備考] 世界初 IXPE衛星によるベラパルサー星雲のX線観測により究極的に強く偏光したX線が観測 されました

    • URL

      https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/information/press/20230112/02-2-3/

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公開日: 2023-12-25  

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