研究実績の概要 |
2023年度は、前年度に引き続き、柱状図を画像から自動的に作成するための第一段階である「露頭中における柱状図作成対象箇所の自動検出」に取り組み完了させた。成果を学会(日本地球惑星科学連合大会2023年大会および惑星圏シンポジウム)および国際誌上(Noguchi and Shoji, 2023, Frontiers in Earth Science)で発表した。
全層畳み込みネットワークの1つであるU-NetおよびLinkNetを用いて、画像中における地層露出領域の抽出の自動化に取り組んだ。これらのネットワークは対象領域の学習・抽出に適している。学習条件をどのように設定すれば最も良い抽出精度が得られるかについて、伊豆大島や三宅島での現地調査にて取得した画像を用いて条件を違えた27の学習モデルを作成し、検証した。学習・比較の結果、U-Netを用いた場合でファインチューニング有り・バックボーンResNet50の条件で最も良い精度が得られた。今後は、火星上露頭画像についても精度高く抽出できるネットワーク・学習条件を探っていくため、まずはこれまでに取得されている衛星画像を用いて試行していく。
また、2023年度は柱状図の自動描画に先駆けて、スケール入り画像・標高データありの場合における地層厚の自動抽出アルゴリズムの開発に取り組んだ。速報を2024年2月に開催された惑星圏研究会で発表するなど、第三段階以降にもすでに取り組み始めており、当初の計画以上に研究を進められている。
|