研究課題/領域番号 |
22K14141
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
平田 祐樹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (90779068)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | hBN / PVD / TEM / XPS |
研究実績の概要 |
窒素とホウ素が蜂の巣状に互いに強固に共有結合した単原子シートであるhBNナノシートは次世代のマイクロエレクトロニクスやその他の技術に統合できる最も有望な材料であり、将来的には量子コンピューティングや超伝導への応用につながる可能性も期待されている。hBNナノシートの物性は、数十~数百nmサイズの電子結晶の挙動が起源となっており、元素間における種々のナノ力学的相互作用を解明することにより、量子世界のエキゾチックな現象の数々について基礎的な知見を得ることができる。hBNナノシートの機械・電気・光学的特性を自由自在に制御するためには、B-N元素間における種々のナノ力学的相互作用を解明し、薄膜中の組成や結合状態、ナノ構造を原子レベルで制御可能な合成手法の開発が求められている。2022年度はRF電力や熱処理温度といった合成パラメータを変化させ、膜の断面TEM観察とXPSによる構造分析を行った。その結果、RF電力値と熱処理温度を制御することにより、膜の構造の最適化が可能であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
hBN合成のためのパラメータ最適化を行い、大面積かつ高品質なhBN合成条件を見出した。また、SiC基板に対して適切な熱処理を行うことで基板表面にグラフェンが析出することも確認しており、hBNとグラフェンというファンデルワールスヘテロストラクチャーの構成要素となる2次元マテリアルそれぞれの合成に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
すでに成功しているグラフェンとhBNを積層したファンデルワールスヘテロストラクチャーの合成に挑戦していく。具体的にはSiCに熱処理を施して表面上にグラフェンを析出させ、その後、マグネトロンスパッタによりhBNを合成させる。合成したサンプルはTEMによる断面観察、XPSによる元素分析、ラマン分光分析による構造分析により評価する予定である。
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