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2022 年度 実施状況報告書

軟質複合板・シェル構造の高次幾何パターン変態機構解明に向けた大変形計算均質化法

研究課題

研究課題/領域番号 22K14142
研究機関名古屋大学

研究代表者

松原 成志朗  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (40823638)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードIsogeometric解析 / 非圧縮固体 / 軟質材料 / 分岐座屈解析
研究実績の概要

今年度は,当該研究の基軸となるIsogeometric解析手法に関して方法論の構築,およびプログラムの整備を行った.具体的には,(a)非圧縮・微圧縮性固体の応力・変形解析をロバストかつ精確に実施するためのB-spline基底関数を用いた再分割安定化法の構築と実装,および(b)軟質固体の高次幾何パターン変態機構を予測するためのIsogeometric解析手法に基づく分岐座屈解析法の実装に取り組んだ.
(a)は,非圧縮・微圧縮性による数値計算の不安定性を解消するために,B-spline基底関数の再分割特性を活かし,解析モデルのメッシュや補間関数の次数を自由度ごとに変える方法である.本安定化法は,数値計算の数学的な安定性条件を満足し,実際に例題を通して,非圧縮・微圧縮性固体の応力・変形解析がロバストに実施可能であることを確認した.本手法によって当該研究に関係する軟質・生体材料のリアリスティックな材料挙動を考慮した応力・変形挙動の予測が可能になったといえる.現状,熱・機械連成問題への拡張も終えており,本成果は今年度に論文として国際誌へ投稿する予定である.
一方,(b)では,硬質膜と軟質基盤からなる系を対象とし,圧縮負荷に対して誘起されるリンクルパターンを予測するためのIsogeometric分岐座屈解析法を実装した.本研究ではケーススタディを実施し,基底関数の高次化によって有限要素法よりも少ないメッシュ数で効率的に高精度な解を得ることができることを示した.得られた成果は,今年度に論文として国内誌に投稿する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Isogeometric解析手法の整備については概ね順調に進行しており,成果も出てきている.一方で,大変形板・シェル均質化法の理論構築については,高次変形モードの扱いに未だ不透明な点が多く,進捗はやや遅れている.

今後の研究の推進方策

当該研究は大変形板・シェル均質化法の理論確立によって達成されるため,本年度は本手法の確立に最大限エフォートを割く予定である.また,研究効率化のために本手法を検証するための参照解は,汎用CAEソフトウェアを使用して計算する.

次年度使用額が生じた理由

今年度は,数値計算手法の構築と実装に集中しており,高負荷な計算を実施する必要が無かったため,次年度使用額が生じた.今年度は,大変形板・シェル均質化法の理論確立を経て比較的大規模なマルチスケール分岐解析を実施するため,計算機を購入する予定である.また,実験にあたって試験片を作製するための材料の購入に際しても支出を行う予定である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Time-swelling superposition principle for the linear viscoelastic properties of polyacrylamide hydrogels2023

    • 著者名/発表者名
      Seishiro Matsubara, Akira Takashima, So Nagashima, Shohei Ida, Hiro Takana, Makoto Uchida, Dai Okumura
    • 雑誌名

      Advanced Structured Materials

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 2 層構造体のリンクル解析に対する Isogeometric 分岐座屈解析法の基礎的検討2022

    • 著者名/発表者名
      平川明莉,松原成志朗,永島壮,奥村大
    • 学会等名
      第27回計算工学講演会
  • [学会発表] 微圧縮非弾性材料の熱・機械強連成解析2022

    • 著者名/発表者名
      松原成志朗,村松亮,永島壮,奥村大
    • 学会等名
      第27回計算工学講演会
  • [学会発表] 過渡膨潤過程におけるポリアクリルアミドゲルの粘弾性特性評価2022

    • 著者名/発表者名
      松原成志朗,永島壮,伊田翔平,田中展,内田真,奥村大
    • 学会等名
      日本材料学会第71期学術講演会
  • [学会発表] 弾性体に誘起するクリースの発生と伝播の有限要素解析2022

    • 著者名/発表者名
      松原成志朗,星亮吾,永島壮,奥村大
    • 学会等名
      第66回理論応用力学講演会
  • [学会発表] ハイドロゲルの線形粘弾性特性評価のための時間・膨潤重ね合わせの原理2022

    • 著者名/発表者名
      松原成志朗,高島晃,永島壮,伊田翔平,田中展,内田真,奥村大
    • 学会等名
      日本機械学会M&M2022 材料力学カンファレンス
  • [学会発表] Investigation of the linear viscoelastic property for polyacrylamide hydrogels during transient equilibrium swelling2022

    • 著者名/発表者名
      Seishiro Matsubara, Akira Takashima, So Nagashima, Shohei Ida, Hiro Takana, Makoto Uchida, Dai Okumura
    • 学会等名
      WCCM-APCOM YOKOHAMA 2022
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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