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2022 年度 実施状況報告書

純チタンにおける引張双晶変形の寸法効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K14146
研究機関九州大学

研究代表者

植木 翔平  九州大学, 工学研究院, 助教 (50880382)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード寸法効果 / チタン / 引張双晶
研究実績の概要

六方最密構造を有するチタンにおいて、1~10ミクロンの代表寸法範囲で、圧縮双晶変形の寸法効果がすべり変形のそれに比べて顕著になることが示されており、このことは新たな材料開発指針を構築するものとして注目されている。六方最密構造では、その構造異方性に起因して、[0001]に圧縮を負荷した場合と引張を負荷した場合で双晶変形のメカニズムが異なるが、後者の寸法効果については系統的な研究がなされていない。そこで、本研究では、代表寸法が1~10ミクロンサイズの試験片に対して評価可能な引張試験法を確立し、チタンにおける引張双晶変形の寸法効果を解明することを目的とする。本研究の成果は、圧縮双晶変形との対比や、降伏後の加工硬化特性の理解につながり、マクロな機械的性質の予測に貢献する。
本年度は、代表寸法が1~10ミクロンサイズの角柱試験片を用いたSEM内引張試験の手法を確立した。供試材としては工業用純チタンを用い、熱処理により結晶粒を粗大化させ、Arイオンにより断面研磨したものを用いた。その後、EBSD(電子線後方散乱回折)解析により、試料表面の結晶方位を同定したのち、所望の結晶粒に対して集束イオンビーム加工を施すことで試験片を作製した。ひずみ解析のために、試験片の平行部にはマーキングを施した。これにより、高精度な応力―ひずみ曲線が取得できることを確認した。試験法の確立が予定よりも早く完了したため、前倒しで[0001]に引張を負荷する実験を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた試験法確立を完了し、前倒しで実験に着手できたことから、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

当初計画していた荷重軸//[0001]の引張試験を代表寸法の異なる試験片で実施する。さらに、開発した手法を、複雑な階層組織を有するラスマルテンサイト鋼の構成要素における変形挙動評価にも展開する。

次年度使用額が生じた理由

試験片の作製方法の構築が当初の予定より少ない経費で完了できた。加えて、情報収集のために出張に関しては、オンラインに変更になることで、予定より少ない回数で同様の効果を得ることができた。そのため、次年度使用額が生じたが、これについては学会参加のための経費として繰り越して使用することとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Comparative Study of Shear Fracture between Fe-based Amorphous and Ultrafine-grained Alloys Using Micro-tensile Testing2022

    • 著者名/発表者名
      Yuki Tampa, Kosuke Takagi, Shohei Ueki, Motoki Ohta, Yoji Mine, Kazuki Takashima
    • 雑誌名

      ISIJ International

      巻: 62 ページ: 1741-1749

    • DOI

      10.2355/isijinternational.ISIJINT-2022-088

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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