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2023 年度 実施状況報告書

デジタルツインを活用した自律的プロセス制御による切削加工の完全自動化

研究課題

研究課題/領域番号 22K14156
研究機関茨城大学

研究代表者

金子 和暉  茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (60909216)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードエンドミル加工 / シミュレーション / 送り速度 / 最適化
研究実績の概要

R5年度は,工作機械の制御装置に切削加工シミュレータを組み込んだスマートマシニングセンタを試作し,加工プロセスの自律的最適化に取り組んだ.提案するスマートマシニングセンタは,実加工とシミュレーションをリアルタイムで連動させることで,加工状態を仮想空的に把握し,自律的に切削条件を修正することを目標としている.R5年度の研究では,切削力をリアルタイムで仮想的に把握し,それに応じて工具送り速度を自律的に制御することに取り組んだ.仮想切削力の振幅を一定に保つように,実機の送り速度を適応的に選択しながら動作することに成功した.しかし,工具・被削材の干渉状態が急峻に変化するようなケースでは,切削力を一定に保つことができないという課題が残されおり,R6年度の研究で解決する予定である.また,試作機による実切削も十分に行っておらず今後の課題である.上記のシステムでは切削加工シミュレーションをリアルタイム以上の速度で実行する必要がある.そのためR4年度からシミュレーションの高速化に関する研究にも取り組んできた.R5年度には切削力をリアルタイム以上の速度で解析することに成功し,スマートマシニングセンタの実現に至った.また,切削条件の最適化について,機械学習とシミュレーションを活用した手法を提案した.強化学習により,シミュレーション環境における工具の送り速度の自律的最適化による切削トルク一定制御に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リアルタイム切削加工シミュレーションを構築し,これを組み込んだスマートマシニングセンタの試作機が完成した.開発した試作機は,本研究の目的であるデジタルツインによるプロセス制御機能を有しており,R6に有用性の検証を行うことを予定している.したがって,順調に研究が進展していると考える.

今後の研究の推進方策

R5年度に開発したスマートマシニングセンタの有用性を検証するために,複数の条件で切削実験を行う予定である.R6年度は本課題の最終年度にあたるため,構築したシステムの有用性に加えて,適用可能範囲や今後の発展性なども実験的に明らかにすることを計画している.

次年度使用額が生じた理由

物価上昇と円安の影響を考慮して,次年度の研究を計画通り遂行するために一部研究費を繰り越した.次年度は,切削実験のための工具,被削材といった消耗品,学会参加のための旅費に研究費,論文掲載料を充てることを計画している.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Practical Method for Identifying Model Parameters for Machining Error Simulation in End Milling Through Sensor-Less Monitoring and On-Machine Measurement2024

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Kaneko, Arisa Kudo, Takanori Waizumi, Jun Shimizu, Libo Zhou, Hirotaka Ojima and Teppei Onuki
    • 雑誌名

      International Journal of Automation Technology

      巻: 18 ページ: -

    • DOI

      10.20965/ijat.2024.p0342

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Autonomous optimization of cutting conditions in end milling operation based on deep reinforcement learning (Offline training in simulation environment for feed rate optimization)2024

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Kaneko, Toshihiro Komatsu, Libo Zhou, Teppei Onuki, Hirotaka Ojima, Jun Shimizu
    • 雑誌名

      Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing

      巻: 17 ページ: -

    • DOI

      10.1299/jamdsm.2023jamdsm0064

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Kaneko, Masatomo Inui, Isamu Nishida
    • 雑誌名

      Fast simulation of machining error induced by elastic deformation of tool system in end milling

      巻: 17 ページ: -

    • DOI

      10.1299/jamdsm.2023jamdsm0035

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] エンドミル加工におけるセンサレスモニタリングと機上計測を活用した工具系剛性の同定方法の提案2024

    • 著者名/発表者名
      和泉 宇紀
    • 学会等名
      精密工学会第31回学生会員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 深層強化学習とシミュレーションを用いたエンドミル加工条件の最適化(第2 報)2023

    • 著者名/発表者名
      金子和暉
    • 学会等名
      2023年度精密工学会秋季大会学術講演会
  • [学会発表] エンドミル加工における工具たわみに起因する加工誤差の高速なシミュレーション2023

    • 著者名/発表者名
      金子和暉
    • 学会等名
      2023年度精密工学会秋季大会学術講演会
  • [学会発表] Prediction of machining error induced by workpiece elastic deformation in end milling2023

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Kaneko
    • 学会等名
      Leading Edge Manufacturing/Material and Processing LEM&P2023
    • 国際学会
  • [備考] 金子 和暉

    • URL

      https://info.ibaraki.ac.jp/Profiles/117/0011682/profile.html

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公開日: 2024-12-25  

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