研究課題/領域番号 |
22K14157
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊東 翔 千葉大学, 大学院工学研究院, 特任研究員 (70743441)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レーザ溶断 / フレキシブルガラス |
研究実績の概要 |
ガラスのレーザ溶断における加工過程(1. レーザ光吸収・加熱,2. 溶融・冷却,3. 飛散)を明らかにしながら,無歪み・無欠陥で,丸い理想形状の端面を持つフレキシブルガラスを実現する. 2022年度においては,[M-A1] 熱歪みの低減を目的とした,複数のレーザ光を照射可能なレーザ溶断実験系を構築した.[M-A2] 加工条件(レーザ出力・形状,各レーザ光の相対位置,アシストガス種類・噴射圧・噴射角度など)を変えながら,レーザ溶断により端面が丸いフレキシブルガラスを作製することに成功した.アシストガスとしては最も安価に準備可能な圧縮空気(アシストエアー)とし,その噴射角度が端面形状に影響することを確認した.また,アシストエアーの噴射位置をレーザ照射スポットと比較しオフセットさせることで垂れないガラス端面を形成できることを確認した.さらに,走査速度とレーザパワーとの関係が端面の厚さに影響し,これらが熱の収支によるものと考察した.[M-A3] 切断ガラス評価技術(端面形状,曲げ強度,熱歪み)の検討をおこなった.端面形状については,スクライバーで切断ガラスを折割ることにより評価できることを確認した.曲げ強度の評価においては2点曲げ試験を応用する方法を考案し,最大で1000 MPa程度の端面強度があることを確認した.熱歪みについては光弾性法により評価をおこない,レーザ照射条件を変えることで,少なくとも熱歪みの量を制御できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画における各マイルストーンを達成していることを確認し,おおむね順調と評価した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度においては,[M-B1] 加工中の平面方向の温度分布可視化,[M-B2] 熱歪みの形成過程解明,[M-B3] 解析による温度分布の予想,[M-B4] 溶融・飛散のダイナミクス解明をおこなう予定である.その後,[M-C1] 強化ガラスの切断,[M-C2] 積層ガラスの封止方法の確立,[M-B5] COレーザでのレーザ溶断により,深さ方向の温度分布制御をおこない,吸収係数の影響について調べる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
若干の余剰が生じたため,翌年度分における物品費にて使用予定.
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