• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

インプロセス制御した大気圧プラズマジェット5軸加工法の開発とMEMSへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K14158
研究機関静岡大学

研究代表者

中澤 謙太  静岡大学, 工学部, 助教 (50824520)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード微細加工 / 大気圧プラズマ / MEMS / インプロセス計測
研究実績の概要

2022年度はインプロセス制御した大気圧プラズマジェット加工装置を開発した.インプロセス制御に用いる2点の計測器である(1)共焦点レーザー変位センサと(2)発光分光分析器を開発した.前者の共焦点レーザー変位センサは大気圧プラズマジェット照射下でも動作することができるように特別に開発し,大気圧プラズマジェットでエッチングをしている個所の深さをインプロセス計測することができる.狭帯域のバンドパスフィルタによって光学的なノイズを,ローパスフィルタや演算回路によって電気電子回路に対する電磁的なノイズを低減させることに成功した.インプロセス制御が無い場合と比較して制御が有りの場合は加工精度が50%改善することができ,本成果を学術論文誌に投稿した.後者の発光分光分析器においては,フィードバック制御に用いるエッチングに強く寄与する活性種の発光を計測するラインと広範囲の波長域を計測するラインを備えた分光装置を開発した.さらに,開発した大気圧プラズマジェット加工装置を用いてMEMS製作における標準的な半導体プロセスを用いてマイクロパターンを施したシリコンウエハに対してエッチングを実施した.エッチングしたシリコンウエハにはアライメントマークがパターニングされており,そこを原点として任意のエッチング位置に大気圧プラズマジェットを照射することができ,所望のエッチング位置を加工した.本装置を用いてMEMS等のマイクロデバイスのマスクレス加工によるポストプロセスの実現可能性を確認することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的はインプロセス制御した大気圧プラズマジェット微細加工法の確立とMEMSへの応用である.この研究において,エッチングプロセス中にインプロセスで計測し,加工精度を向上させることが重要な技術である.これに対し,独自に大気圧プラズマジェット照射下でも動作可能な共焦点レーザー変位センサを開発し,エッチング精度を向上させたことは意義がある.また,応用先と考えているMEMSへの適用可能性を示すことも重要である.マイクロパターニングしたSi基板の任意の位置を加工できたことは実際のMEMSに応用するための重要なステップである.これらより目的通り順調に研究を進展させることができたと考えている.

今後の研究の推進方策

2022年度はインプロセス制御に用いる計測器を開発し,エッチング精度を改善することを示した.共焦点レーザー変位センサを用いたインプロセス制御はエッチング深さを計測する直接的な計測を用いている.しかし,さらに微細化を目指す場合には光学機器の分解能やエッチング装置の構成により適用範囲が限定される.一方,発光分光分析器を用いたインプロセス制御においては間接的にエッチング量を計測することができる可能性がある.2022年度に開発した発光計測器を用いて,2023年度は発光計測からエッチング量をインプロセス制御するプロセスを確立する.また,MEMSへの応用に関しては,2022年度はマイクロパターニングしたシリコンウエハへ加工した.2023年度は構造体が自立したMEMS振動子に対してエッチング加工を実施し,MEMSへの応用を推進する.

次年度使用額が生じた理由

実験で使用する資材について再検討した結果,当初計画より経費を節約することができたため,未使用額が発生した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 大気圧プラズマジェ ットを用いた垂直深堀エッチング法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      中澤謙太,岩田太
    • 学会等名
      2023年度精密工学会春季学術講演会
  • [学会発表] 大気圧プラズマジェット加工の高精度化に向けたインプロセス深さ計測法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      富田丈瑠,中澤謙太,平岡尊宏,大塚優一,中村謙介,岩田 太
    • 学会等名
      第39回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム
  • [学会発表] Development of atmospheric pressure plasma jet etching for trimming of micro-machined devices2022

    • 著者名/発表者名
      Takeru Tomita , Kenta Nakazawa, Takahiro Hiraoka, Yuichi Otsuka, Kensuke Nakamura, Futoshi Iwata
    • 学会等名
      2022 JSME-IIP/ASME-ISPS Joint Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment
    • 国際学会
  • [備考] 静岡大学教員データベース

    • URL

      https://tdb.shizuoka.ac.jp/RDB/public/Default2.aspx?id=11255&l=0

  • [産業財産権] エッチング装置及びエッチング方法2023

    • 発明者名
      中澤謙太,岩田太
    • 権利者名
      中澤謙太,岩田太
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2023-027515

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi