研究課題/領域番号 |
22K14160
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大和 駿太郎 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (00908486)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 送り速度計画 / 時間依存プロセス / FJP / CAM / 基底関数 |
研究実績の概要 |
FJPプロセスにおいて,最終的な研磨形状は,プロセス影響関数(PIF:単位時間当たりの材料除去フットプリント)と,各工具パス点での滞留時間密度(=送り速度の逆数)の畳み込み積分によって決定される.そのため,研磨形状を精密に制御するには,同定したPIFに基づき逆畳み込み積分(=逆問題)を解いて送り速度を計画することが必要である.しかし,一般的にこの逆問題は計算コストが高く,最終目標を実現するためには,より高速なアルゴリズムが必要である. 本年度は,1つの直線パスを設計する単純な2次元問題あるいはそれに帰着可能な3次元形状を対象に,機械の最大速度・加速度制約の範囲内で,所望の形状を得る送り速度を高速に最適設計する基礎理論を構築した.具体的には,計画する滞留時間密度プロファイルをB-splineなどで基底関数表現することでPIFと基底関数を組み合わせたプロセス基底関数(PBF)を新たに定義し,PBFを用いて逆問題を解くことを提案した.この方法により,計算速度が劇的に向上することが判明した.さらに,基底関数形状を制御することで最大速度・加速度などの機械制約を考慮した精緻な送り速度計画を実現し,計算速度だけでなく,最終的な形状精度も従来手法と比較して大幅に向上できることを,シミュレーションおよび実験によって確認した.併せて,提案アルゴリズムをコントローラ内部に実装・統合可能な知能化FJPテストベンチの構造・システム設計を行い,製作を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終的なCAM-CNC統合ダイレクトFJPシステムの実現に向けて,その基盤となる高速かつ精緻な送り速度計画手法の開発に成功した.そのため,順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は,1つの直線パスを設計する2次元問題あるいはそれに帰着可能な3次元形状問題において新たな送り計画手法を提案し,その有効性を実証した.しかし,自由曲面形状の3次元問題においては,複数パスを同時に考慮して送り速度を最適化しなければならない.提案手法は3次元問題にも容易に拡張可能であるが,同時に考慮するパス点が増大すると計算コストが激増するため,提案手法を単純に拡張しただけでは十分ではない可能性がある(それでも,従来手法よりは劇的に計算負荷を低減可能であると予想される).そこで,PBFを用いた逆問題に加えて,3次元問題において更なる高速計算を実現する,新たな送り速度計画アルゴリズムの提案と有効性の実証を推進する.また,FJPテストスタンドの開発も引き続き進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
FJPテストスタンドの部品選定に関してメーカー側と打合せ・交渉が続いている,あるいはモータや制御・電子部品が昨今の半導体不足などで長納期化しているため,納入が完了しておらず決算されていない物品がいくつかあるため.
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