本研究では,断続的にせん断速度が変化するような構造を有するマイクロ流路内を流れる高分子溶液を対象として,流動状態が不安定な状態へと変化するメカニズムの解明を目的として,特に構造物周りに形成される低速域に着目して流速や粘度分布の取得に取り組んだ. まず,溶液の濃度に起因して低速域の形成メカニズムが異なること,そして,低濃度の希薄溶液については各低速域の流動が隣接する低速域に対して伝播することがわかった.次に,蛍光分子ローターを使用した粘度分布計測に取り組み,微細構造周りの粘度分布取得が可能であることを示し,局所的に変化する粘度計測に対する有効性が確認された.
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