固体-液体-気体の異なる三相が相互作用しあう接触線の物理解明には、相界面の帯電状態を考える必要がある。本研究では、表面電位を計測できるケルビンプローブフォース顕微鏡(KPFM)を基板技術として、ナノスケール相界面の基盤的知見を得ることを目指した。 液滴近傍の固気界面をKPFM計測した結果、約100μmにわたって最大1.0V負に帯電する領域が存在し、既知の固液接触帯電とは異なる物理機構で生じていることがわかった。接触線をまたいで固気・固液界面を同時にKPFM計測できる新規液体セルの構築の目途が立った。TEMやAFMを用いた研究も並行し、ナノ材料・多孔質内の流動現象など多くの知見を得た。
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