研究課題/領域番号 |
22K14249
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高村 紀充 福岡大学, 工学部, 准教授 (10749419)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 生分解性電気絶縁油 / 菜種油 / 窒素ファインバブル / 非イオン界面活性剤 / 代表性状 |
研究実績の概要 |
油入変圧器用の生分解性電気絶縁油(エステル油)には高性能化が要求されている。本研究では、安全・安心・微小な材料として窒素ファインバブル(窒素FB)と非イオン界面活性剤(Non-ion)に着目し、エステル油の一種である菜種油中にこれらを拡散させて、3年の研究期間で、その種類や量が菜種油の代表性状(交流および雷インパルス絶縁破壊電圧、体積抵抗率、比誘電率、誘電正接、水分、密度、粘度、動粘度)に及ぼす影響を解明し、菜種油の高性能化に必要な条件と機序(メカニズム)を明らかにすることを目的としている。 2年目(令和5年度)は、「窒素FBが菜種油の代表性状に及ぼす影響の調査」の一環として、「窒素FBの発生時間」と「窒素FB発生後の静置時間(窒素FBの直径)」の2つをパラメーターとした場合における各種実験を行った。その結果、当該年度の実験条件では、窒素FBは菜種油の交流絶縁破壊電圧に大きな影響を及ぼさないことがわかった。また、窒素FBの発生時間の増加に伴い動粘度が低下することなどがわかったが、これらの変化は温度による影響が大きいことが示唆された。 当初の計画では、2年目の後半からNon-ionによる影響も調査する予定だったが、新型コロナウイルスへの感染や入院、および、職位の変更に伴う各種手続きが立て込んだため、当該年度での実施には至らなかった。 今後は当初の計画を一部変更し、「窒素FBの発生時間」、「窒素FBの原料となる窒素ガスの供給量」、「窒素FB発生後の静置時間(窒素FBの直径)」の3つをパラメーターとして、「窒素FBが菜種油の代表性状に及ぼす影響の調査」をさらに深堀して明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年目(令和5年度)の前半は、当初の計画通りに研究を進めていたが、7月下旬から10月末にかけて、新型コロナウイルスへの感染や入院、および、職位の変更に伴う各種手続きが立て込んだため、やや遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
3年目(令和6年度)は、当初の計画を一部変更し、「窒素FBの発生時間」、「窒素FBの原料となる窒素ガスの供給量」、「窒素FB発生後の静置時間(窒素FBの直径)」の3つをパラメーターとして、「窒素FBが菜種油の代表性状に及ぼす影響の調査」をさらに深堀して明らかにする予定である。また、得られた成果を随時発表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスへの感染や入院のため、当初の計画していた海外での国際会議に参加できなかったため、旅費とその他の経費で次年度使用額が生じた。これらの経費は次年度以降に旅費とその他の経費として使用する計画である。
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