研究課題/領域番号 |
22K14256
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
杉本 義喜 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30883095)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アンテナ測定 / 近傍界測定 / テラヘルツ波アンテナ / 高速測定 |
研究実績の概要 |
IoTが社会に浸透するのに伴い,膨大な数の電子機器が無線通信によってネットワークに接続するようになった.今後ますます無線技術の利用加速が確実であり,必然的にアンテナの製造数増大が推測できる.無線通信の基板となる質の良いアンテナを設計するためには,アンテナごとの性質に適した測定技術の獲得が不可欠である.近年では無線周波数利用の巨大な需要に押されて,従来の移動体通信で用いられてきたマイクロ波帯よりも周波数の高いミリ波・テラヘルツ波帯の開拓が強く推進されている.テラヘルツ波帯の電波はマイクロ波帯の電波と比較して電波の伝搬距離に対する減衰が大きいため,放射ビームを鋭く絞ってアンテナの利得を高くし,鋭いビームを空間的にスキャンして無線端末を追尾することが一般的とされている.このことから,テラヘルツ帯においては高利得かつ主ビーム方向がか斜め方向のアンテナを高速かつ効率的に測定する技術を確立することが課題となる.本研究は疎なアンテナ近傍界振幅を用いて密なアンテナ近傍界の振幅と位相それぞれを独立な補間アプローチによって推定する,高速な平面状近傍界測定によるアンテナ放射特性の推定手法の確立を目的とする.提案手法では平面状に取得した疎な振幅分布からバイリニア補間によって密な振幅分布を取得し,数値的に作成した密な振幅分布を用いて,反復処理に基づく位相推定手法を導入して密な位相分布を推定する. 令和4年度は,提案手法の理論構築とシミュレータ作成,および特性限界の明確化に取り組んだ.疎な電磁界振幅を用いたアンテナ放射性能解析シミュレータを実装し,この自作シミュレータに対して電磁界シミュレータから取得した,ビーム方向がアンテナ正面,および斜め方向の高利得アンテナの近傍電磁界データを仮想の測定値として入力することで提案手法の有効性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案手法の有効性を数値シミュレーション上で明らかにできており,概ね順調に進展している. 実測評価用のアンテナ入手も完了しており,一部前倒しで進展している部分もあるため.
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今後の研究の推進方策 |
実測によって提案手法の計算妥当性を明らかにする. また成果の対外発表が不十分であるため,次年度にて行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で国外発表を見送ったため,次年度使用額が生じた. 該当額は次年度の論文投稿費としての使用を計画している.
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