研究課題/領域番号 |
22K14270
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
島崎 航平 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (20867303)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アクティビティセンシング / 生物モニタリング / 広域センシング / 振動イメージング / 高速ビジョン / 高速対象追跡 / AI画像認識 / 振動源定位 |
研究実績の概要 |
令和4年度は高速ビデオ画像を用いた訪花モニタリングアルゴリズムの設計を行い、茨城県や熊本県のイチゴハウスで実際に計測を行い、訪花状況と花の育成状況におけるモニタリングの結果を通して、基本動作を確認した。 (A) 画素レベル振動源定位に基づく飛翔ミツバチ検出アルゴリズムの設計 1)農研機構ミツバチユニットの研究協力者の連携先農園や促成イチゴハウスを実験フィールドとする研究機関において、イチゴ訪花時の飛翔ミツバチに対するオフライン高速度カメラを用いた長時間500fps動画撮影を行った。 2) GPGPUボードを搭載したラップトップパソコンに対し、全画素輝度信号に対する短時間フーリエ変換機能を並列実装し、画素レベルでの羽ばたき周波数検出に基づく訪花検出を実現した。 3) 背景差分等によりミツバチの訪花有無を判定し、滞在時間等のパラメータを定量化可能とした。 (B) CNN画像認識に基づくイチゴ開花状況把握アルゴリズムの実装 1) 広島大既有のAI学習サーバ上で、A)の高速度撮影時に同時記録したイチゴ花の画像セットをトレーニングデータとした、CNNに基づくイチゴ開花状況認識アルゴリズム設計を行った。 2) 花の見た目や角度を変化させた画像データセットに対し、つぼみから満開までの開花状況をスコア化した形でアノテーションを行うことにより、イチゴ花の開花状況を定量化した。 3) データセットの学習により、提案アルゴリズムによるリアルタイム開花認識動作を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画素レベル振動源定位に基づく飛翔ミツバチ検出アルゴリズムの設計及びCNN画像認識に基づくイチゴ開花状況把握アルゴリズムの実装に着手できており、当初予定していたすべての研究項目を実施できており、概ね順調に進展しているものと判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で大きな障害となるものはないが、AI画像の認識精度の向上に向けてアノテーションやデータセットの数などの創意工夫が必要となることが懸念されている。令和5年度は「広域訪花モニタリングを実現するアクティブミツバチカメラの開発」を実施し、20m前後の実際のイチゴハウスを飛翔するミツバチの訪花分布を計測する予定である。
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