研究課題/領域番号 |
22K14311
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研究機関 | 徳山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
温品 達也 徳山工業高等専門学校, 土木建築工学科, 准教授 (50804457)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レゴリスシミュラント / 振動成形 / 圧縮成形 |
研究実績の概要 |
レゴリスシミュラントをφ50mmで高さ100mmの鋼製型枠容器内にて超音波を照射したところ,密度の増大が確認された。また,照射時間が長いほど,出力電圧が大きいほど,積層数が多いほど,締め固めたレゴリスシミュラントの密度は増加した。しかし,密度は増加したものの,取り出したレゴリスシミュラントは型枠を外した時点で崩壊し,建設材料としての固化硬度には至らなかった。硬度が小さいため,圧縮強度試験に供することができるほどの硬度でもなかった。 一方,超音波ではなく200Hz程度の高周波をレゴリスシミュラントに照射したところ,超音波よりも高い密度増加を確認した。レゴリスシミュラントと振動数の関係を再検討したところ,レゴリスシミュラントを振動させるためには超音波よりもこの帯域の高周波の方が優れることがわかった。 さらに圧縮のみの固化を実験したところ,50N/mm2程度の圧縮応力をレゴリスシミュラントに加えた場合,握りこぶしサイズの固化体を整形することができ,超音波や高周波のみを与える場合よりも高い固化効果を得た。また,圧縮応力が大きいほど固化体の硬度やサイズは大きくなった。 以上のことから,先行研究ではレゴリスの固化に月で入手が困難な水を使用したり,高いエネルギーを用いて溶解作用を選択しているものの,本研究ではレゴリスのみを用いて固化体が成形可能であることを示唆した。より実用的なサイズでの固化は圧縮成形や高周波振動付与の組み合わせが実現性は高いと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
レゴリスシミュラントのみで,他の材料を併用せずに固化できる可能性を見出した。また固化体のサイズは50mm四方以上であり,今後さらに大型サイズの固化体を成形可能な見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
圧縮成形および高周波振動を組み合わせたレゴリスの固化を検討する。また,固化体の高温および低温時の耐久性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
超音波の効果よりも,高周波の効果の方が固化効果が高いことを発見したため,超音波振動子の制作を中止し,高周波振動子の検討へシフトした。来年度超音波振動子の代わりに高周波振動装置を調達予定である。
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