研究課題/領域番号 |
22K14324
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
豊田 智大 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80899964)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Full formulation / u-w-p formulation / u-p formulation / 数値安定性 / 高透水性土 / 海底液状化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,間隙水の動的浸透を考慮した,Full formulationに基づく地盤の水~土骨格連成解析手法を,洗堀や海底液状化といった流体と地盤の動的相互作用問題を扱えるツールへと拡張するための足掛かりとして,流体力学と無理なく接続可能な解析手法を開発することであった.具体的には,1) 土骨格の増分型変形解析とcompatibleな土中の浸透流解析手法の検討,2) 間隙流体のモデルの精緻化,3) 改良した解析手法・モデルを搭載した水~土連成解析の実践であった. 本年度は,とくに1)の一環として,間隙水の相対加速度を考慮した定式化手法であるFull formulation(とくにu-w-p formulation)および間隙水の静的浸透を仮定するu-p formulationの数値的安定性について考察した.具体的には,時間離散化された支配方程式に,時刻歴解析のための時間積分公式を連立して構成される連立漸化式のスペクトル半径を求めた.u-p formulationでは,特に透水係数が大きい/時間刻み幅が小さい範囲においてスペクトル半径が1を上回る不安定域が出現するのに対し,u-w-p formulationでは,そのスペクトル半径があらゆる透水係数,時間刻み幅に対し1を下回ることから,u-w-p formulationによる解析の安定性を確認した.また,上述のu-p formulationの不安定性は,支配方程式自体が本質的に有する不安定性ではなく,あくまで系を時間離散化した際に始めて生じる数値的なものであることを示した.また,3)の予備的検討として,u-p formulationによる波浪作用下にある弾性/弾塑性海底地盤の変形解析を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前項1)のように,スペクトル半径に着目した動的二相系解析の数値安定性の検討を通して,Full formulationの広範な適用可能性を示すことができたため,研究は順調に進展しているといえる.ただし,回転流など,渦の発生を伴うような境界条件の下での本手法の数値安定性については,既往の流体解析手法の安定性に関する知見も参照しつつ,引き続き検討したい.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,項目2)の検討として,間隙水の粘性を考慮したDarcy-Brinkman方程式に着目し,項目3)での地盤の変形解析への実装を念頭に置きつつ,まずは間隙流体単独での適切な解法,とくに空間離散化,時刻歴解析の手法について検討してゆく.
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