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2022 年度 実施状況報告書

海洋表層モデルの海面情報による最適化とメソから総観規模現象への影響

研究課題

研究課題/領域番号 22K14328
研究機関金沢大学

研究代表者

二宮 順一  金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (20748892)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード大気海洋相互作用 / 現地観測 / 大気海洋結合モデル
研究実績の概要

運動量・熱に関する大気と海洋の相互作用は台風や大気循環を通して,高潮,風速,さらに降雨へも影響を及ぼす.この相互作用の効果は,現在の数値モデルでは波浪による海面の凹凸やしぶき,乱れが考慮されておらず,風速のみで簡易に取扱われている.そこで本研究では,大気海洋観測塔を用いた大気・海洋集中観測を実施し,詳細な波浪形状や砕波率等,数値モデルで扱われる海面の情報から相互作用の効果を説明するモデルを構築する.構築したモデルの効果は,海洋からの影響が重要な台風や,大気海洋の相互作用が長期的に影響する大循環をシミュレーションすることによって,定量的に評価することを目標としている.
初年度は大気海洋の同時観測を実施し,観測データの充実を図った.2022年度の観測データはすでに回収を終えており,今後,統計的解析やモデル化を進める.
運動量・熱交換量の取り扱い手法が変わることによる高風速下における定量的な評価のため,大気海洋結合モデルによる理想台風実験環境を構築した.大気海洋結合の理想台風実験では台風の発達だけでなく,高風速下における海洋流動や混合にともなう水温低下が表現可能になることを確認した.試行的にJRA-55とFORA-WNP30から大気海洋の気候値を抽出し,CMIP6から大気および海洋のシナリオ別将来変化量を抽出して,現在気候と将来気候における理想台風実験を行った.将来気候において台風強度は強くなるものの,海水温変化に対して非線形な応答を示すことを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた大気海洋同時観測を実施し,計画通り進展した.

今後の研究の推進方策

現地観測を引き続き行うことで観測データの充実を図るとともに,回収済みの観測データの解析およびモデル化を進める.また,モデル置き換えによる影響評価のベースとなるコントロールランの計算を進める.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Impacts of wave-induced ocean surface turbulent kinetic energy flux on typhoon characteristics2022

    • 著者名/発表者名
      Takagi Masashi、Ninomiya Junichi、Mori Nobuhito、Shimura Tomoya、Miyashita Takuya
    • 雑誌名

      Coastal Engineering Journal

      巻: 64 ページ: 151~168

    • DOI

      10.1080/21664250.2021.2017191

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ANALYSIS OF MAIN FACTOR IN REGIONAL SEA-LEVEL VARIABILITY DUE TO CLIMATE CHANGE AROUND JAPAN2022

    • 著者名/発表者名
      MIYAUCHI Miho、MORI Nobuhito、SHIMURA Tomoya、TATEBE Hiroaki、MIYASHITA Takuya、IMAI Yuki、NINOMIYA Junichi
    • 雑誌名

      Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. B2 (Coastal Engineering)

      巻: 78 ページ: I_949~I_954

    • DOI

      10.2208/kaigan.78.2_I_949

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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