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2022 年度 実施状況報告書

完全アンモニア酸化細菌を活性化させた新規廃水処理技術の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K14349
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

渡利 高大  長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (90800540)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード環境負荷低減 / 窒素除去 / 下水処理
研究実績の概要

微生物を高度に利用する廃水処理技術は環境保全や公衆衛生の確保のため重要であるが分解に関与する微生物の99%は分離培養されていない。近年、アンモニア酸化と亜硝酸を単独菌体で行う完全アンモニア酸化 (Comammox) 細菌の存在が明らかになった。そこで本研究では、DHSリアクターによるComammox細菌の集積培養を行い、生育に至適な環境条件を明らかにすることで、 Comammox細菌を優占させた世界初の超高速温室効果ガス抑制型廃水処理システムを構築することを目的とする。本年度は、2種類の運転条件のDHSリアクターを用いてComammoxの集積培養を試みた。処理水循環を行ったDHSにおいた高いアンモニア除去率を示した。高いアンモニア除去率を示したDHSリアクターの保持汚泥を16SrRNA遺伝子に基づいた微生物解析を行ったところ、46.1%のNitrospiraに近縁なOTUを得られた。また、分子系統解析を行ったところ、4つの種に分類されそのうち2つが4種の内2種がComammoxが属する亜系統Ⅱに近縁なNitrospira種であった. 以上のことから、DHSを用いてComammoxwを集積することができた。また、タイ王国においてComammoxが優占する条件でパイロットスケールのDHSリアクターを運転開始し、その微生物挙動を追っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初は数年かけて明らかにする予定であった、”なぜスポンジを用いたバイオリアクター内にComammoxが優占するのか”という本研究の最大の問いをラボスケールのDHSを用いて再現することができた。そのため、今後詳細解析を行う実験系を構築することができ当初計画以上に進展している。

今後の研究の推進方策

2022年度に得られたCommoxが優占したDHSリアクターから汚泥を採取し、メタゲノム解析を行い、優先している微生物がComammoxであるか調査を行う。また、マイクロDOセンサーを用いてスポンジ担体内の酸素濃度挙動の調査やFISH法による視覚的検出を行い、Comammoxが優占する条件について明らかにする。その後、保持汚泥を亜硝酸ナトリウムを添加し、DHS保持汚泥の亜酸化窒素生成特性を調査する。加えて15Nを標識したアンモニアをトレーサーとして、保持汚泥の分解経路を推定する。実廃水を用いた実験としてタイ王国コンケン市やマレーシア、コタキナバル市に設置したDHSリアクターを調査し、Comammoxの存在特性を調査する。

次年度使用額が生じた理由

本年度、計上していたバイオリアクターや送液ポンプなどの備品が大学経費によって措置されたため、消耗品と旅費のみのを執行した。これらは次年度にも購入する予定があり2023年度に執行予定である。また、当初予定に加えて、Comammox細菌を優占したバイオリアクターの実廃水への適用として、新たなフィールドとしてタイ王国コンケン市やマレーシア、コタキナバル市にDHSを設置したため、渡航旅費としても執行する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] デルフト工科大学(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      デルフト工科大学
  • [国際共同研究] コンケン大学(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      コンケン大学
  • [学会発表] DHSリアクターによるComammox細菌の集積培養の試み2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤友紀, 渡利高大, 幡本将史, 山口隆司
    • 学会等名
      第57回日本水環境学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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