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2022 年度 実施状況報告書

超微小細菌の生態学的役割の解明と膜ファウリングフリー技術への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22K14356
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

滝本 祐也  長岡技術科学大学, 技学研究院, 助教 (50914610)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード極小細菌 / 膜ファウリング / 分離培養
研究実績の概要

本研究は、超微小細菌(以下、極小細菌)が、膜ファウリング原因物質を分解するという仮説を検証するため、 膜ファウリングの原因物質を単一基質とする極小細菌の分離・培養とその生理生態学的特徴の解明に挑む。極小細菌は膜分離活性汚泥法の活性汚泥内ではごくわずかにしか検出されないにもかかわらず、膜面バイオフィルム中に集積されることが明らかとなり、本研究では、極小細菌の分離・培養を介して未知の生理生態学的特徴を明らかにし、最終的に、膜ファウリング原因物質を直接分解する極小細菌を用いた新規の膜ファウリング制御方法を提案する。
本年度には、膜分離活性汚泥法の膜面バイオフィルムに形成されたゲルバイオフィルムを用いて、0.45μmフィルターを使用し微小細菌を抽出した後、極小細菌叢の16S rRNA遺伝子解析を実施し、対象細菌を決定し、その分離培養に試みた。培養に用いる基質は、膜ファウリング原因物質を抽出し濃縮した物質である。液体培養とプレート培養を実施したところ、膜ファウリング発生時に検出される細菌の集積培養と、コロニー単離株の分離に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、膜分離活性汚泥法の膜面バイオフィルムに形成されたゲルバイオフィルムを用いて、0.45μmフィルターを使用し微小細菌を特定し、その分離培養に試みた。膜ファウリング原因物質を抽出濃縮し、それらを基質として利用し、液体培養とプレート培養を実施したところ、膜ファウリング発生時に検出される細菌の集積培養と、コロニー単離株の分離に成功した。また、活性汚泥から抽出物だけでなく、近年報告されているペプチドグリカンやLPSなどの膜ファウリング原因とされる物質においても集積培養系が維持されたことから、今後の単離に向けた成果が得られたと考える。

今後の研究の推進方策

来年度は、膜ファウリング原因細菌を殺菌、および膜ファウリング物質を直接分解する極小細菌の集積培養および単離を継続して実施し、単離株もしくは集積培養系のメタゲノム解析とトランスクリプトーム解析から、高分子の低分子化に寄与する細菌の決定とその生態学的機能を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

本研究で使用予定だった消耗品、微生物解析外注費用などを、所属機関から提供してもらい、実施したため、来年度への繰り越しとした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 膜面バイオフィルムを形成する微生物:細菌の特定から制御へ2022

    • 著者名/発表者名
      滝本祐也、三輪徹、幡本将史
    • 雑誌名

      膜

      巻: 47巻 ページ: 218-222

    • DOI

      10.5360/membrane.47.218

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An increase in sludge loading rate induces gel fouling in membrane bioreactors treating real sewage2022

    • 著者名/発表者名
      Toru Miwa, Yuya Takimoto, Yuki Mizuta, Masashi Hatamoto, Takahiro Watari, Takashi Yamaguchi
    • 雑誌名

      Chamosphere

      巻: 309 ページ: 136557

    • DOI

      10.1016/j.chemosphere.2022.136557

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 膜面バイオフィルムに棲息する未培養細菌の 活性汚泥成分による可培養化2022

    • 著者名/発表者名
      滝本祐也、幡本将史、山口隆司、玉木秀幸
    • 学会等名
      日本微生物生態学会

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公開日: 2023-12-25  

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