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2022 年度 実施状況報告書

気候変動と居住可能地の境界変化:意思決定における時間スケールの拡張と世代間効果

研究課題

研究課題/領域番号 22K14381
研究機関東京大学

研究代表者

大津山 堅介  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (50881992)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード気候変動適応策 / 世代間効果 / 住まいの復興と適応策 / 移住定住選択 / 近傍移住
研究実績の概要

本研究は「気候変動と居住可能地の境界変化:意思決定における時間スケールの拡張と世代間効果」と題し,居住可能地の減少リスクに対して撤退概念への世界的な関心が高まる中,日本特有の低い流動性の要因を明らかにするため,被災後の移住研究に「世代間効果」という新たな概念を導入し,移住・定住意思決定における時間スケールの拡張を企てる研究である.
初年度となる2022年度は,事前調査として米国フロリダ州,ニュージャージー州の現地調査を行い,水害常襲地における撤退(バイアウト)事業とともに,高床化補助事業による非移住型の適応策の現状把握を実施した.同調査では,堤防のない河川沿岸に立地していた住宅がバイアウト事業によって再自然化される一方,撤退(バイアウト)による居住者移転によって税収減が懸念されることから,基礎自治体の規模(人口)と事業選択に何らかの相関があることが示唆された.
また同調査結果から,当初想定していた沿岸部の災害リスクも重要である一方で気候変動に伴う外水氾濫(河川の越水,溢水,破堤による氾濫)のリスクが高まっていることから,本研究では外水氾濫被災地にも目を向けることとした.
同様に日本国内では,令和元年東日本台風の被災地である長野県長野市を対象とした事前調査を行い,米国に見られた近傍移住や高床化された住宅による復興も見られた.2022年度はシンポジウムでの発表など現在までの進捗を報告する機会を得た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

懸念された新型コロナウイルスの影響も最小限に抑えられたため,予定していた海外渡航による現地調査が実現できたため.また対照となる日本の研究フィールドでの具体的な研究の進展も見られたため.また2023年度は学会での発表も決定しており,概ね順調に進展していると言える.

今後の研究の推進方策

上述のように,本研究では気候変動適応策として沿岸を対象としてきたが,外水氾濫のリスクも高まっているため,河川沿いの地域も対象に含めることとした.2023年度は日米の研究フィールドにおける共通した変数を探索しつつ,本研究に向けた具体的な準備を進める.

次年度使用額が生じた理由

2022年度前半は海外渡航の可否が不安定であったため,海外渡航が1回に留まったため.結果として,旅費(国際)に約50万円の繰越金が発生したため.2023年度は新型コロナウイルスによる渡航制限が撤廃されるため,繰越金を含めた執行予定が可能であると思われる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 水害常襲地における水災害リスクとの共存可能性の一考察2023

    • 著者名/発表者名
      大津山堅介
    • 学会等名
      日本気象学会2023年度春季大会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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