市街地内の原則30km/h規制を導入した欧州都市の先進政策を対象に、専門家ヒアリング、文献調査、現地調査を行い、「スローストリート」概念の構成要素と、それに伴う街路の設計要件を明らかにした。また、国内都市の幹線街路(実勢速度30km/h未満で混雑度に問題が見られなかった街路/公共交通および歩行者への空間再配分が行われている街路)を対象に、歩行者行動の特性を明らかにした。以上の知見から、広幅員街路へ同概念の実装を行うことで「市民の移動、活動の選択肢と質が改善され、都市の包摂性を高める効果が得られる」という仮説について検証を行い、国内においては、空間再配分も合わせた施策化が効果的であると示唆した。
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