研究課題/領域番号 |
22K14431
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
安 鍾賢 広島工業大学, 工学部, 助教 (60817104)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | クラゲ駆除装置開発 / 実海域実験 / 有害生物駆除 |
研究実績の概要 |
近年、クラゲ数の増加により水産、観光などの分野で被害が発生しており、地域の漁業関係者などによるクラゲ駆除作業が行われている。しかし、このような駆除方法では、多くの時間と労働力が必要とされ、漁業就業者数が毎年減少傾向にある現状では負担となっている。このため、クラゲ駆除作業の自動化を目的とした水中ロボットシステムを開発する。また、その有効性を実環境での運用で確認する。提案したシステムの実現のための課題は、「課題1:大型クラゲの粉砕が可能な駆除装置の開発」、「課題2:クラゲ駆除装置が搭載可能かつクラゲ探索が可能な水中ロボットシステムの開発」、「課題3:クラゲの認識システム及び水中環境の3次元マップ生成システムの開発」となっており、2022年度では「課題:1」に取り組んだ。 研究成果としては、大型クラゲ(直径1[m])の駆除が可能な装置を開発した。開発した装置は、掃除機のようにクラゲを吸引し、内部のブレイドでクラゲを切断し駆除するものである。試作機として、直径0.1[m]の吸引口、約3[kgf]の推力を持つ装置を開発し、ゼラチンで製作したクラゲサンプル(直径0.3m)の粉砕ができることを確認した。粉砕されたクラゲの破片は約20 x 20 x 30[mm]になった。さらに、生きているクラゲを駆除する実験を広島県福山市内海町田島(7月13日、8月10日)で行い、ミズクラゲ(直径0.2[m])を粉砕できることを確認した。本実験から、クラゲ直径の半分ぐらいの吸引口で充分にクラゲを吸引できることが確認された。 試作機と実海域での実験から得たデータを基に、大型クラゲ駆除装置を開発した。開発装置は吸引口の形を長方形(0.5 x 025[m])とし、約10[kgf]の推力を持つ。ゼラチンで製作したクラゲサンプルを使用した動作実験では、約0.3[m]離れた対象の吸引ができ、切断することが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り進んでおり、クラゲ駆除のための試作機及び大型クラゲ駆除装置を開発した。また、実海域(広島県福山市)でのミズクラゲ駆除実験を行ったことから、装置の有効性が確認できたため、概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り、2022年度開発したクラゲ駆除装置を搭載できる水中ロボットシステムを開発する。開発する水中ロボットは、実環境でクラゲの探索が可能にするため、水中での自己位置推定及びクラゲ認識などのためのセンサ及び処理装置を搭載する予定であり、各装置及びシステムの検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた物品が品切れにより、購入できなかったため。 購入できなかった物品は、2023年度中購入する予定である。
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