研究課題/領域番号 |
22K14439
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
中嶋 良介 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (70781516)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 目視検査 / 外観検査 / 作業支援 / 作業管理 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本研究では、深層学習を活用した作業支援システムの構築を目指し、実際の目視検査工程での実態調査と実験室でのシステム開発・被験者実験を並行して実施する。具体的には、①実際の製品の欠点を対象とした適切な照明条件・撮影条件の検討、②深層学習の判別精度の向上に必要な製品画像の要件の検討、③欠点候補の可視化と効果的な作業者へ情報提示方法の検討を進め、実際の生産現場でその有効性を検証する。 本年度は、産学連携で共同研究を実施している製造業の協力を得て、実際に複数の製品の良品と不良品を収集した。そして、照明の種類(蛍光灯やLEDなど)や照射角度などの照明条件を変動要因とする実験を行ない、欠点の視認性に及ぼす影響を実験的に検討した。その結果、欠点によってその視認性が高くなる照明条件が異なることが明らかになり、実際の目視検査工程においては作業支援システムを導入する前に製品や欠点の特性を理解することが重要であることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際の生産現場での実態調査と実験室でのシステム開発・被験者実験を並行し、作業支援システムの実用化のための照明条件についても明らかになりつつあり、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は今年度に実施した実験結果に基づいて、作業支援システムの実用化に必要最低限の製品画像を数値シミュレーションにより検討するとともに、必要に応じて製品画像のデータ拡張(拡大・縮小・回転)や転移学習などの技術の応用可能性も検討する予定である。そして、作業支援システムと作業者のインタラクションとして、視覚や聴覚、触覚などを用いた様々な情報提示方法を変動要因とする被験者実験を通じて、欠点候補の作業者への効果的な情報提示方法を実験的に検討する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度の実験が当初の予算以下で実施でき、当初は現地開催の予定であった学会が新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン形式に変更になったため、次年度使用額が生じた。これについては、次年度以降の機械学習用の設備の購入に充当する予定である。
|