生物で見られる集団現象では、その秩序の特徴として個々の活動の同期が挙げられる。しかし、歩行者の集団形成と個々の歩行ステップとの関係は不明な点が多い。 本研究では、レーン形成実験を実施し、一定テンポのガイド音がない限り、歩行者の足並みは自発的には揃わないことを示した。またガイド音による歩行の同期は、歩行者らの横方向の動きを単調にし、形成される構造を脆弱にした。以上より、通常の歩行者集団では、個々が自分自身のタイミングで動くことで、壊れにくい流れを形成していることを示唆する。 本成果は、群集マネジメントや、非同期的に運動せざるを得ない自律分散型群ロボットといった集団システムの設計に資すると考えられる。
|