研究課題/領域番号 |
22K14477
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤林 将 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (30846952)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 不揮発性メモリ / トランジスタ / 単分子 / ポリオキソメタレート |
研究実績の概要 |
IoTやAI産業の輝かしい発展の一方で、情報機器の消費電力量は爆発的に上昇すると予測されている。この点で、強誘電体は、低消費電力・高速応答の優れた特性を有し、次世代メモリとして注目されてきた。しかしながら、材料固有の微細化限界のため、高集積化に適さず主役の座を退いた。このような背景の中、我々は電場によって分子内のイオン移動を誘起することで、恰も強誘電体の様な分極ヒステリシスや自発分極を示す分子(以後、「単分子誘電体」と表記)の開発に成功した。この「単分子誘電体」は、一つ一つの分子がメモリとして駆動するため、従来の記録密度を超越した超高密度メモリの開発が期待される。実際、10 nmの「単分子誘電体」薄膜を実装したデバイスプロトタイプを作製したところ、室温で明確なメモリ特性を示した。 そこで本研究では、単分子誘電体メモリの実用化を目指し、研究目標①:最適なメモリ特性を示す「単分子誘電体」の選定、研究目標②:実用化に適した材料への改良、を達成する。具体的には、横型トランジスタ構造に材料を成膜し特性評価に用い、材料の選定・改良を実施した。「単分子誘電体」をゲート絶縁膜とすることで、ゲート電圧印加による「単分子誘電体」の分極操作が可能となり、トランジスタのON/OFFが制御できる。実際に、「単分子誘電体」を実装したメモリ材料を作製したところ、ゲート電圧の僧院に対するドレイン電流の履歴現象であるメモリウィンドウが観測され、「単分子誘電体」が不揮発性メモリとして駆動することを明らかにした。加えて、メモリウィンドウ幅は数V以上に広がっており、
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題であった「単分子誘電体」のメモリ特性を明らかにし、メモリウィンドウやON/OFF比などをはじめとした基礎特性の評価を完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、同素子を用いた不揮発性メモリの評価を継続し、実用化に向けた材料検討を進める。現在は、測定環境改善のため、測定プログラムを自作することで、特性評価に向けた準備をしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた金額よりも安価に、同評価が可能な装置を導入可能であったため。一方で、装置維持費や消耗品費に必要な金額が増加したが、今年度予算を次年度に繰り越すことで、これらの問題を解決した。
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