セレクタ材料は、次世代半導体デバイスを実現するクロスポイント型素子構造におけるキーマテリアルである。半導体製造プロセスの観点から、400℃以上の熱処理に耐えることが求められ、従来はAsやSeなどの毒性元素を含むことで高い耐熱性を実現してきた。一方、世界的に環境負荷の低減が進む昨今の社会事情から、As・Seフリーな新材料が求められてきた。本研究では、一般的なセレクタ材料系とは程遠いTM-Oに第三元素を添加して電子構造を制御することでON/OFFスイッチを発現させることに成功した。このことは、セレクタ材料開発において、新たな元素選択戦略を開拓するものであり学術的にも社会的にも意義が大きい。
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