等原子比近傍の組成を有する多元合金であるハイエントロピー合金 (HEA) は新しい設計思想に基づく合金系として注目を集めているが,従来の合金研究の基本であった凝固後の組織観察と状態図へのプロットのみにより組織形成過程を理解することは困難である.本研究では,放射光X線をプローブとするその場計測と機械学習分野で用いられる回帰手法を活用した独自の組成・プロセス設計スキームにより,凝固の観点から魅力的なHEAを創出することを目的とした.研究の結果,一致溶融に近いCr-Mn-Fe-Co-Ni合金や,1300℃以上で起こるBCC-FCC変態を活用した低偏析・微細組織Cr-Mn-Fe-Co合金を見出した.
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