研究課題/領域番号 |
22K14547
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鳥取 直友 九州大学, 工学研究院, 助教 (00840646)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マイクロ・ナノ流体デバイス / マイクロプロセス / 細胞内包液滴 / ゲル微粒子 |
研究実績の概要 |
2022年度は以下を実施した. (1)マイクロ流路デバイスの設計・作製:十字流路を用いた液滴生成部とその下流に直列に接続したマイクロピラーアレイを用いた液滴分離・処理部から構成される,マイクロ流路デバイスを設計した.フォトリソグラフィにより,シリコン基板上にネガ型フォトレジスト(SU-8)にて微小凸型を作製した後,シリコーン樹脂(PDMS)に転写し,スライドガラスと酸素プラズマ処理により貼り合せることでマイクロ流路デバイスを作製した. (2)細胞内包液滴の生成と分離:上記の十字流路とその下流に直列に接続したマイクロピラーアレイを用いて,細胞内包液滴の生成および分離試験を実施した.まず,分散相(例:細胞を懸濁したアルギン酸ナトリウム水溶液)と連続相(油)の流量などの条件を変化させ,細胞内包液滴の生成状態を評価した.次に,生成液滴をマイクロピラーアレイへと導入し,細胞内包数の違いに基づいて液滴が分離される様子を確認した. (3)ゲル粒子の生成:マイクロピラーアレイにカルシウムイオンを含む反応液,および置換溶液を導入し,多相並行流を形成した後,細胞内包液滴に当該流域内を斜行・横断させ,連続的に液滴のゲル化,および溶液置換を行った. 生成液滴のうち,細胞内包液滴は,ピラー配列の傾き方向に斜行することで,反応液および置換溶液流内を横断した後,回収される様子が確認され,一方,未内包液滴は,マイクロピラーアレイの隙間を縫って流れ方向に直進することで,細胞内包液滴から分離される様子が確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に基づき,マイクロ流路デバイスの設計・作製,および試作デバイスの基礎評価などを実施でき,おおむね順調に進展した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,当初の計画に基づき,機能性細胞包埋ゲル粒子の生成に向けたシステムの構築を進める.
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