研究課題/領域番号 |
22K14559
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野寺 桃子 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (10907819)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 二次元層状物質 / 六方晶窒化ホウ素 |
研究実績の概要 |
六方晶窒化窒化ホウ素(h-BN)中の不純物が耐電圧特性に及ぼす影響を評価するため、炭素アニール結晶及びアニールしていない結晶を使用し、粘着テープを用いたメカニカル劈開ほうによって薄膜化しSiO2基板上にh-BNフレークを作製した。それらのフレークを塩化ビニール(PVC)を用いてSIO2基板上の金属電極上に載せ、その後さらに金属電極を載せることによって上下の電極でh-BNを挟み込んだデバイスを作製し、室温及び極低温で測定を行った。炭素原子がドープされている場合とされていない場合において耐電圧曲線の振る舞いが変化することが確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
炭素ドープ結晶とドープしていない結晶において耐電圧曲線の振る舞いが異なることが確かめられたが、この振る舞いの違いに関しては一つのフレーク内でもばらつきがある。このばらつきの要因としては転写時にh-BN層にあかるひずみによるh-BNへの欠陥の導入、あるいは転写時にh-BNと接触したPVCから付着したポリマー残渣の影響が考えられる。そこで、これらの転写による原子層へのダメージを極力少なくするため、PVC転写の開発に取り組んできた。その結果として、PVCの膜厚制御による持ち上げ温度変化や転写効率の向上に成功している。
|
今後の研究の推進方策 |
現在PVC転写法の開発が順調であり、まだまだ可能性があると感じている。そのため、今後さらにPVC転写法の開発に力を入れる。具体的には、作製が困難であるとされる原子層のサスペンド構造を容易に作製できるような条件をPVCを用いて開発していく予定である。
|