二酸化バナジウム(VO2)の伝導特性を組み合わせたマルチセンサ機能創出のため、成長下地基板の表面構造、試料の立体構造を系統的に変化させ、相転移特性の変化を評価した。独自表面処理技術によりSi基板の表面粗さをナノオーダで作り分け、基板表面粗さが大きくなるほどVO2薄膜の相転移温度が低下する傾向を明らかにした。一方マイクロレベルで試料構造を変化させたVO2試料では、膜厚が一定の条件下では試料サイズを小さくするほど相転移温度は低下する傾向を明らかにした。これら成果に基づき、相転移温度を任意制御したVO2試料を集積させることで、高感度マルチセンサ性能に資する物性を機能として抽出する方法論を確立した。
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