物質の内核電子を強く励起することで発現する現象は多くあるが、光の基本特性である偏光状態を活用した例はない。高強度のX線自由電子レーザーの利用が可能となった今日は、X線を用いた強誘起現象にますます注目が集まっており、X線の円偏光状態を活用した本成果の波及効果は磁性分野に留まらず大きいと予想される。X線自由電子レーザーを用いた磁性体の超高速分光はヨーロッパのチームが先導してきたが、SACLAを用いた本成果を先駆けて発表できれば、新たな研究分野のフラグシップとしてSACLAの存在を強く世界に向けてアピールできる。
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