近年急速に進展している超伝導量子ビットを用いた量子計算機開発は、全て希釈冷凍機内約10 mKの環境下で実施されている。それはマイクロ波の周波数帯を持つ超伝導量子ビットの量子状態が熱ノイズで乱されることを防ぐための措置である。一方、光周波数の光子のエネルギーは、マイクロ波光子に比べ5桁大きく、常温300 Kの熱ノイズ下においても全く乱されないという特長を持つ。加えて、光ファイバーの伝搬損失が非常に小さいことから、長距離情報伝送も可能となる。そのため、マイクロ波-光間での高効率波長変換器の開発は、異なる希釈冷凍機間での量子情報のやりとりを可能にし、量子インターネットの構築に寄与する。
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