LSMO薄膜は強磁性ハーフメタルで、Ptなどの電極層と組み合わせてスピントロニクスデバイスに使われている。Ru:LSMO薄膜にも同様の応用が期待されるが、傾斜組成構造とスピントロニクスの融合研究は新規である。ガルバノミラー走査型PLD装置を使えば、連続的な組成傾斜を作り出せ、磁気モーメントのスピントランスファートルクが増大し、均一組成薄膜よりもスピン特性が向上する可能性が高い。本研究は、この相関を明らかにし、LSMOなどをベースにした新たな分野「グラデーションスピントロニクス」の開拓するうえでの基礎学理の構築に貢献できたことが本研究の学術的意義と考えられる。
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