研究成果の概要 |
共鳴核反応法を用いた水素濃度測定と電気伝導測定のin-situ測定により, その場で水素化したペロブスカイト型ニッケル酸化物ReNiO3の水素濃度と電気抵抗の関係を調べた. 実験にはSmNiO3, NdNiO3, LaNiO3のエピタキシャル薄膜を用いた. 従来提唱されていたモデルと異なり, 水素濃度x=0.5で金属絶縁体転移することを初めて明らかにした. x<0.5の前駆状態では伝導特性にReによる違いが見られた一方, x=0.5の絶縁相はReの元素によらないペロブスカイト型ニッケル酸化物の普遍的な性質であることが示唆された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年, 水素エネルギーの機運の高まりととも水素駆動デバイスや水素ガスセンサーなどの研究開発が熱心に行われている. 特にペロブスカイト型酸化物は様々な場面で注目され, それらへの応用開発には, 酸化物と水素の相互作用の基礎的理解が欠かせない. 本研究では共鳴核反応法を用いた水素濃度測定を用い, ペロブスカイト型ニッケル酸化物の水素と電気伝導特性の関係を詳細に調べた. 水素濃度0.5の絶縁体相の存在を実験的に明らかにした.
|