近年では生命現象への原子間力顕微鏡(AFM)の進展が目覚ましい。しかし、表面電荷・電位を局所計測できる技術は確立されておらず、生体分子機能において液中イオンや生体分子の表面電荷が関係する現象の理解が進んでいない。本研究で確立してきた基盤技術により生体分子の「電荷・電位」計測を可能にすることで、従来技術では困難であったイオンチャネルによるイオン輸送や膜分解ペプチドの静電的相互作用による脂質分子の吸着・脱離など、生体分子/溶液界面の電位分布が関係するとされる生体分子機能のナノレベルでの機序解明に貢献する。それらは、創薬・医学の学術的な理解に必要であり、生命科学分野の発展に繋がることが期待される。
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