研究課題/領域番号 |
22K14603
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮澤 佳甫 金沢大学, フロンティア工学系, 助教 (40845525)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 探針 / カーボンナノチューブ / 染色体 |
研究実績の概要 |
ヒトの染色体の3次元立体構造を可視化する3次元原子間力顕微鏡(3D-AFM)を開発するために、今年度は、カーボンナノチューブ(CNT)を用いたAFM探針の開発に取り組んだ。走査型電子顕微鏡の内部にマニピュレーター装置を実装し、従来の汎用的なAFM探針の先端にCNT探針を接着固定し、電流を流して熱でCNTを切断することで100 nm程度の精度で長さを調整できる機構を開発した。これにより、直径1 nm~30 nm、長さ500 nm~2 umのCNT探針を高い再現性で作製できるようになった。走査型電子顕微鏡では観察できる分解能が限られ、さらに計測中に走査範囲がカーボンで汚染される可能性が高いことから、透過型電子顕微鏡内でのCNT探針作製機構の開発にも取り組んだ。これは来年度も継続して開発を進めるが、今年度は、透過型電子顕微鏡のサンプルホルダーの先端に取り付けできる3軸走査可能な小型チューブピエゾを作製した。動作確認の結果から、XYZそれぞれ最大50 um程度走査可能であることが分かった。また、ピエゾ慣性モーターを用いた粗動駆動機構の開発にも取り組んだ。来年度は、透過型電子顕微鏡内でのCNT探針作製機構を実装し、直径1 nm以下の原子レベルで制御されたCNT探針の作製を実現する。さらに、開発したCNT探針を用いてヒトの染色体の内部構造計測を行い、得られた3次元画像から実際の染色体構造のモデル化に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、3D-AFMに用いるカーボンナノチューブ探針の開発に成功している。直径1 nm程度までの尖鋭化が実現しており、現在の市販のAFM探針の直径(10 nm程度)よりも大幅に小さな直径の探針を再現性良く作製することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、透過型電子顕微鏡内部でのCNT探針作製機構を開発し、直径1 nm以下の原子レベルで制御されたCNT探針の作製に取り組む。また、その探針を用いてヒトの染色体の内部構造計測を行い、得られた3次元画像から実際の染色体構造のモデル化に取り組む。
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