研究課題
若手研究
放射線検出器の検出過程を理論的に再現することを目的とし、放射線の挙動をナノスケールで精密に計算できる新機能を放射線輸送計算コードPHITSに開発した。この新機能は検出器の評価に必須である励起電子の生成を模擬できる。さらに、開発した機能を応用して蛍光体検出器の粒子線に対する応答を予測するモデルを開発した。このモデルによる予測と実験値を比較することで、このモデルが検出過程を正確に再現していることを確認した。
放射線物理
本研究により開発されたシミュレーションコードは、放射線検出器の検出過程をナノスケールで精密に解析する能力を備えている。これにより、放射線検出器の測定結果の補正や新たな検出器の開発に役立てることが可能となり、正確な放射線量の評価を通じて、より安全な放射線利用に貢献できる。さらに、このコードは検出器応答の評価に限らず、様々な物質への放射線影響を評価するための汎用モデルとして使用可能である。これにより、材料損傷のメカニズム解析など、幅広い分野での応用が期待できる。