エアロゾルは気候や人体の健康に大きな影響を与える物質であり,その生成過程において気液界面や固液界面が重要な役割を担っている.エアロゾル表面のモデルである脂肪酸単分子膜/水界面における脂肪酸疎水鎖の配向をヘテロダイン検出和周波発生分光で評価した.得られたスペクトルから脂肪酸疎水鎖の水/空気界面における配向性を見積もったところ,純水溶液では脂肪酸の炭素数が奇数のものは偶数のものより配向性が低くなるという偶奇性が観測された.界面における脂肪酸の分布数はカルボキシル基のプロトン解離によって変化するので,酸性およびアルカリ性の水溶液についても配向性を見積もったが,明確な偶奇性は見られなかった.
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