本研究では、らせん構造に由来するキラリティを持つヘリセンを架橋基として架橋型イミダゾール二量体に導入することで、光スイッチング機能を有するキラル有機ビラジカルの創生を目的とした。[9]ヘリセンまたは[7]ヘリセンを架橋基とするフォトクロミック分子として、「ヘリセン架橋型イミダゾール二量体(helicene-ImD)」を合成した。各々の光学異性体に紫外光を照射するとC-N結合が解離し過渡種であるビラジカルが生成した。ヘリセン架橋型イミダゾール二量体は高速フォトクロミズムを示すことを明らかにし、高速フォトクロミズムを用いたキラル磁性スイッチの足掛かりとなる分子設計指針を確立することが出来た。
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