研究課題
若手研究
不安定化学種であるラジカルカチオン中間体の不斉制御に有効なキラル鉄(III)光レドックス触媒を開発し、高選択的不斉ラジカルカチオン[4+2]及び[2+2]環化付加反応を開発した。本研究により、多くの医薬品にみられる光学活性環式化合物の新規合成法を開拓したのみならず、元素戦略の要となる「鉄」に新たな価値を見出した。さらに、得られた研究成果を米国化学会誌に掲載した(J. Am. Chem. Soc. 2023, 145, 15054)。
有機合成化学
不斉反応の開発は、医薬品の安定供給の実現に資する重要な研究課題である。これまでに数え切れないほどの不斉反応が開発されてきたが、豊富な資源を活用する手法への転換や、未達成の不斉反応の開発など、解決すべき課題は多く残されている。今回、豊富な資源である鉄と光エネルギーを組み合わせることで世界初となるキラル鉄(Ⅲ)光レドックス触媒の開発に成功し、前例のない高選択的不斉ラジカルカチオン環化付加反応を開発した。