本研究では、チミン(T)を導入したサレン型白金(II)錯体や亜鉛(II)錯体の合成を行い、アデニン(A)オリゴマーと複合化させ、A-T相互作用により錯体分子を配列させることに成功した。アデニン5分子からなるオリゴマー(A-5mer)では、構造安定性が低く、集積化できなかった。一方で、A-10merやA-15merでは、錯体分子数に応じた吸収スペクトル変化を示したため、定量的に配列していることが示唆された。すなわち、核酸塩基導入により、分子数を正確に制御した錯体分子集積化に成功した。今後は、資質との複合化により複合薄膜の作成へと展開していく。
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