研究課題/領域番号 |
22K14701
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
井上 僚 関西学院大学, 生命環境学部, 助教 (30844675)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 白金錯体 / ポルフィリン / ヘテロトリプチセン / 円偏光燐光 / 円偏光発光 / 鋳型合成 |
研究実績の概要 |
本年度は、主として以下三点の研究で大きな進展があった。 1.ABCD ポルフィリンの脱水的芳香環化反応の収率を塩基、溶媒、脱水条件を変更することで最適化することができた。加えて当該合成法を活用し、ワンポットで光学活性なポルフィリン白金錯体を得ることに成功した。得られた化合物はキラルHPLCにより光学分割が可能で、CD吸収に活性であることがわかった。現在本内容で論文投稿を行う予定である。 2.らせん状の光学活性な白金錯体が優れた円偏光燐光を示すことを見出した。また三重項の速度論を用いた円偏光燐光の基礎理論を確立することに成功した。本内容はChemistry of Materials 誌に掲載された。(Chem. Mater. 2022, 34(17), 7959-7970) 本論文の内容は当該研究分野を大きく発展させる指針となると考えられる。 3.トリプチセンの芳香環のうち、少なくとも一つがヘテロ環に置換されたヘテロトリプチセンは新たな物性が期待できる一方で合成が困難であるため、あまり報告例がない。我々は光学活性なヘテロトリプチセン類の合成法を開発した。得られた化合物は溶媒に依存した円偏光蛍光を示した。さらに本化合物は白金との錯形成により円偏光燐光を示すことがわかった。さらに上記概要2の円偏光燐光の基礎理論を用いた理論解析により、当該本内容はChemical Communications 誌に掲載された。(in press)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該研究計画通りに研究が進行していることに加えて、概要に示した円偏光燐光とヘテロトリプチセンの研究に大きな進展がみられたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は最適化したABCDポルフィリンの合成法を基に、面不斉・軸不斉を有するABCDポルフィリンダイマーを合成することで、高効率な円偏光燐光材料の開発を行う。また本合成法の中間体から誘導可能であるポルフィリンキノンを用い、環状分子の合成を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
民間財団の助成金から消耗品費を支出することができたため。 2023年度に繰り越した研究費は、試薬・ガラス類の購入に使用する。
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